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犬の膵炎に温灸は効くのか?効果と使い方を徹底解説

はじめに:犬の膵炎とその悩み

愛犬が急にぐったりして、ご飯を食べなくなり、吐いてしまう…。そんなとき、動物病院で「膵炎(すいえん)」と診断されることがあります。
膵炎とは、膵臓に炎症が起こる病気で、軽度なものから命に関わる重度なケースまで様々です。

膵炎にかかると、犬は強い腹痛や食欲不振、嘔吐、下痢などを引き起こします。治療には点滴や食事制限、場合によっては入院が必要ですが、「自然療法」や「補助療法」として注目されているのが温灸です。

本記事では、犬の膵炎に温灸がどのように役立つのか、また効果的な使い方について、自然療法の視点からご紹介します。


膵炎とは?犬に多い原因と症状

● 急性膵炎と慢性膵炎の違い

  • 急性膵炎:突然発症し、重度の炎症を起こすことがある。放置すると命に関わる。
  • 慢性膵炎:症状が軽くても長期間にわたり膵臓がダメージを受ける。食欲不振や疲れやすさなどが持続する。

● 主な原因

  • 高脂肪の食事
  • 肥満
  • ストレス
  • 他の病気(糖尿病、肝疾患など)
  • 薬剤の副作用
  • 遺伝的要因(ミニチュアシュナウザー、ヨークシャーテリアなど)

● 症状

  • 食欲不振
  • 嘔吐、下痢
  • 腹痛(背中を丸める、触られるのを嫌がる)
  • 無気力、ぐったりしている
  • 発熱

温灸とは?犬にも使える自然療法

● 温灸の基本

温灸は、もぐさ(ヨモギの葉を乾燥させたもの)を用いて体を温め、血行を促進し、自然治癒力を高める東洋医学の伝統療法です。
人間だけでなく、犬にも使える安全なケアとして近年注目を集めています。

● 温灸の期待できる効果

  • 血流改善
  • 自律神経のバランス調整
  • 消化機能の活性化
  • 痛みの緩和
  • リラックス作用(副交感神経の優位)

これらの作用が、膵炎による炎症・消化不良・食欲不振・ストレス反応をやわらげる助けになります。


犬の膵炎に温灸は効くのか?

● 効果のポイント

温灸は直接「膵臓の炎症を治す」わけではありませんが、以下のような間接的なサポート効果があります。

  1. 内臓の血流改善:膵臓周囲の血行を促進し、老廃物の排出を助ける
  2. 自律神経の調整:ストレス性の膵炎には、交感神経の過緊張をやわらげることが重要
  3. 消化機能サポート:胃腸の動きを助け、食欲回復を後押し
  4. 疼痛緩和:温熱による筋緊張の緩和、痛みの軽減

● 獣医師の治療と併用が大前提

温灸はあくまで補助療法です。
急性膵炎の発症直後など、重度のケースではまず獣医師による治療が最優先です。
落ち着いてから自宅ケアの一環として温灸を取り入れると、回復の手助けになります。


犬の膵炎に効果的な温灸ポイント(ツボ)

中脘(ちゅうかん)

  • 位置:みぞおちとおへその中間
  • 効果:胃腸の調整、消化促進、内臓機能の活性化

関元(かんげん)

  • 位置:おへそから指4本分下(お腹の中心)
  • 効果:内臓機能の底上げ、免疫アップ

足三里(あしさんり)

  • 位置:後ろ足の膝の下、外側(前側に凹みがある)
  • 効果:胃腸を整え、食欲回復、全身の元気を底上げ

脾兪(ひゆ)

  • 位置:背中、最後の肋骨より2つ前の椎骨の左右外側
  • 効果:消化吸収の改善、膵臓との関連が深い経穴

温灸の使い方:犬に優しく安全に

● 温灸器具の選び方

  • 家庭では火を使わない電子温灸器の使用もおすすめ
  • 直接皮膚に当てず、3~5cm程度離す
  • ササエキスなどで湿らせたガーゼ越しに行う
  • 1カ所あたり1~3分程度、様子を見ながら行う
  • 週に2~3回程度、体調を見て調整する

● ケアのポイント

  • 愛犬が落ち着ける環境で行う(寝る前やリラックスタイム)
  • 嫌がるときは無理にしない
  • 温灸中は観察し、体を熱くしすぎない
  • 終了後は水分補給を忘れずに

温灸とあわせてできる自宅ケア

  • 低脂肪・消化の良い食事管理
  • ストレスの軽減(静かな環境づくり、スキンシップ)
  • 腸内環境を整える発酵食品やサプリの活用
  • 適度な運動(体力が戻ってから)

実際に温灸を活用したケース例

● ミニチュアシュナウザー/13歳/慢性膵炎持ち

  • 食欲不振と嘔吐を繰り返していたが、通院後の安定期に温灸を週2回実施
  • 足三里と中脘に重点をおいて実施
  • 1カ月後には食欲が安定し、便通も良好に
  • 飼い主も「表情がやわらかくなった」と実感

※個体差があります。すべての犬に同様の効果があるとは限りません。


注意点とまとめ

● 注意すべき点

  • 急性期は必ず動物病院へ
  • 温灸は「補助療法」であり「治療の代替」ではない
  • 持病がある、皮膚が弱い犬には獣医と相談して使用
  • 使用中は必ず犬の様子を観察すること

まとめ:温灸は犬の膵炎ケアに“寄り添う”療法

温灸は、犬の膵炎に対して「治す」というよりも、「回復を助ける」やさしいケアです。
東洋医学の智慧を活かして、血流や自律神経、消化機能を整えることで、愛犬の心身のバランスをサポートできます。

もちろん、獣医師の診断と治療が前提ですが、飼い主自身の手でやさしくケアできる方法として、温灸はとても心強いツールです。

「愛犬の体に触れ、向き合う」ことは、何よりも深い癒しになります。
もしあなたの愛犬が膵炎で悩んでいるなら、ぜひ温灸を一つの選択肢として検討してみてください。